AIについて:人類を救うゴッドウエアになるか?

2019年を迎えた。75歳から76歳になる年だ。大学を卒業したことはコンピュータ技術を知りたくて工学部に入り電子工学科を卒業した。二〇世紀は昔話になり、現在の二一世紀はAIのニュースであふれている。AIとは何者か?と知りたくて図書館で本を借りる。AIが本格化し始めた、すなわち実用技術として利用されるようになったのは5年ほど前からと説明がある。図書館のコンピュータのコーナは相変わらずWordやEXCELなどで埋め尽くされているが、その横にはAIを説明する技術書などが数十冊は並んでいる。とりあえず片っ端から借り出して目を通してみるが、何を言っているのか分かりにくい。学生時代のニューラルネットワークを引き合いに出して説明が始まっているのでその昔を思い出す。学生時代に学園祭でニューラルネットワーク技術を利用して人工知能を作っていた展示デモがあったことを思います。可変抵抗を回転させては判定を正確に動作させることができず頭を振っていた友人がいた。その友人はその後電子工学科の教授になった。現代のAIはニューラルネットワークの技術を発展させて神経回路の階層を多数重ねた構成を採用しているようだ。また、昔は友人が可変抵抗の軸を回転して抵抗値を変化させていたのに対して、現代のコンピュータの計算能力をフルに活用して与えられた式に従って自動的に知識を吸収する仕組みを作っているようだ。半世紀前にニューラルネットワークの発想を作った研究者も偉かったが、その後冷や飯を食いながら日の当たらないニューラルネットワークの研究を継続した研究者グループも大したものだ。しかし、AIを実現した社会的な背景はもっとすごいし、しっかり動向を注視する必要がありそうだ。コンピュータに与えられた通信能力の絶え間ない向上、また計算能力、記憶能力の限界が見えない発展である。その昔小学校では次のように習った。人類が豊かになるきっかけは、「ゼロの発見」と「火の利用」さらに「文字を紙にかくこと」だったと思う。それに対してAI発展のバックグラウンドとなったコンピュータ能力の発展、つまりコンピュータ通信能力、計算能力、記憶力はAIに代表される新しい人類能力開発のツールとなりそうだ。

なぜか次のようなことを考えた。二〇世紀の技術者が残した最大の災いの元は核開発と大陸間弾道弾など大量破壊兵器である。これらを二一世紀以降に使わせないAIを開発できないであろうか。ジャーナリズムは大国間の軍備拡大競争はサイバー空間で当たり前に行われており、更に前線は宇宙に広がりつつあるという。軍備技術がコンピュータの通信能力と処理能力に依存しているので、AIを駆使したマルウエア(本当はゴッドウエア)を開発して世界中の軍事施設コンピュータに潜ませる。このゴッドウエアは核戦争の引き金が押された際には軍事施設でロケット発射の指示が出たら、その場で核爆発を起こすようにゴッドウエアが働く。あるいは、核弾頭を搭載したロケットが万一空中に成功裏に発射されたとしても、ゴッドウエアがターゲット地図を差し替えて発射基地に戻るように誘導する。大国は皆GPSを自前で宇宙に配置しているがこれらも電波で制御している。従って技術的にはゴッドウエアが作れないことはない。全ての軍事施設のコンピュータにゴッドウエアが埋め込まれ、世界の指導者がそのことに気がついたら、人類の破滅をもたらす核戦争の引き金は誰もさわらなくなるだろう。究極のAIはここに夢見たゴッドウエアに違いない。

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