就職氷河期の人材

ある零細企業の話。人材を募集すると就職氷河期時代が比較的応募数が多い。20年以上の間、入れ替わり4名ほどの人材が就職してはやめていった。彼らはアルバイトとして働いた経験があるが、履歴書には比較的短期間で仕事を変えている記載がある。最近の事例。元気がよくて受け答えがはっきりしている就職氷河期世代を数年前に採用した。特徴は時々体調が悪くなり、無断でお休みすること。それでも順調に仕事をこなしている場合もあり、一時は戦力になると期待した。アルバイト期間の終わりを待たずに、社会保険もかけて正社員扱いにした。給与は時給ベースしか支払うことができなかったし、ボーナスの支払いも零細企業には不可能である。今年になって市役所から市民税の支払い請求が届き特別徴収の手続きをした。そのことを本人に伝えたところトラブルに結び付いてしまった。社会保険料の徴収、源泉徴収のほかに市民税・県民税の徴収が新たに加わったので、徴収金額が数万円になった。本人は一般のサラリーマンが沢山給与から天引きされていることを知らず、会社の天引きについて疑問を持ち始めたのだ。もしかしたら「社長が本人に無断で横取りしている」と推測したのだろう。話はこじれて有給休暇を与えろと言い出した。中小企業、零細企業を問わず有給休暇を与えられる企業は一部にすぎない。しかし国が定めたルールだから有給休暇を与えなければ公的機関に訴える、弁護士にも相談する、と脅す始末だ。残念ながら彼は辞職した。就職氷河期時代の人材はアルバイトで稼いた経験はあっても、正社員として働くことで沢山天引きされることを経験していない。そのため、会社経理に不信感を抱き、折角の正社員のチャンスを自ら辞職していく。社会の仕組みを知らないことで意固地になり自身で損を選択する就職氷河期世代である。